おソバやうどんを一振りでピリッと引き締め!日本が誇る卓上スパイス
「七味唐からし」&「一味唐からし」。

一体なにが違うんだろう?
…誰しも一度は通る、この疑問。
正体を知らず、なんと無しに使ってしまっていませんか…?

使用方法を知らないと起こる悲劇!
七味唐辛子の強い香りが料理の繊細な風味を打ち消してしまい…せっかくの料理が台無し!「もう元の味に戻らない…」と後悔。
辛さだけが際立ち、料理本来の旨味が分からない…。「ひたすら辛い…」と味覚が麻痺し、料理を楽しむ余裕がなくなりションボリ。
今回は、スパイス&ハーブのプロフェッショナル軍団、エスビー食品さん認定資格
「スパイス&ハーブ検定1級」ホルダーで「七味唐辛子コレクター」の私が徹底解説!
(のちほどコレクション載せときますね。)
「七味と一味の完璧な使いこなし」をマスターしたい人は最後まで読んでくださいね。
この記事で分かること!
- 一味唐からしと七味唐からしの違いが分かる!
- 中身と特徴が分かる!
- 正しい使用方法が分かる!
- 初めてでも迷わない。おすすめ七味&一味の6選が分かる!
- へぇ~。なるほど小話
もくじ
プロも間違えちゃう!七味と一味の違い
七味と一味の違いはズバリ… 「使われている素材」!
- 七味唐辛子 ⇒複数のスパイスがブレンド。辛味だけでなく、香りや風味も楽しめる。
- 一味唐辛子 ⇒唐辛子のみで作られている。ストレートな辛味が特徴。

【七味】複数のスパイス+トウガラシ!
【一味】トウガラシのみ!
(▼さらに違いを分かりやすく比較表で!)
項目 | 七味唐辛子 | 一味唐辛子 |
---|---|---|
原材料 | 唐辛子、山椒、陳皮、ゴマ、麻の実、けしの実、青のりなど複数ブレンド | 唐辛子のみ |
味 | 唐辛子の辛さ+山椒や陳皮などの香りが複雑に混ざり合った風味 | 唐辛子本来のストレートな辛味 |
香り | 複数のスパイスによる豊かな香り | 唐辛子のシンプルな香り |
辛さ | 一味唐辛子に比べてマイルド | 七味唐辛子よりも辛味が強い |
料理への使い方 | 薬味として、料理の仕上げに風味を加える | 辛味をダイレクトにプラスする |
おすすめの料理 | うどん、そば、味噌汁、鍋料理、焼き鳥など | ラーメン、カレー、パスタ、炒め物など |
その他 | 地域、お店により配合が異なる。そのため種類が豊富 | 唐辛子の種類によって辛味が異なる |
まとめると…
- 一味唐からしの原料は唐辛子1種類のみ。
- 七味唐からしの原料は、唐辛子+(山椒、陳皮、青のり、ごま、麻の実、けしの実など)複数ブレンド。(※配合はお店により異なる)

ひとくちメモ
☆辛みのスパイス=一味唐からし
☆風味と香り+辛味のスパイス=七味唐からし で覚えましょう!
七味と一味の使い分け

七味はカラフル!一味の鮮やかな赤も美しい…!

七味唐辛子
辛味+豊かな風味と香りが特徴。 ▶一味唐辛子に比べると辛みはマイルド。風味を加えるのに最適!
ポイント
【風味の多様性】ブレンド香辛料によって風味が異なるので、料理に合わせた使い分けが一層美味しくするコツ!種類も豊富なのでいろいろ試してみましょう。
【料理のジャンル】うどん、そば、煮物など、和食全般に◎焼き鳥や鍋料理に欠かせない!香りと風味がUP!
【使うタイミング】一味と同じく料理の仕上げに加えることで、風味と香りを引き締め!
【風味の組み合わせ】料理の味付けに合わせて、七味唐辛子の種類を選ぶと、さらに風味が豊かに。エスニックやイタリアンにも合います!

七味を使えば、 料理に奥深い風味が加わる…
「いつもの食卓が料亭のような深い味わいに変わる」ということ!
一味唐辛子
純粋な辛味が特徴。 ▶七味より辛味が強くダイレクトに辛さを加えたい時に!
ポイント
【辛さの調整】 少量でしっかりと辛味が出るので、少しずつ加えて味を調整するのがポイント!
【料理ジャンル】 ラーメン、カレー、麻婆豆腐など、辛味を強調したい料理や、辛さをストレートに味わいたい料理にピッタリ!
【使うタイミング】料理の仕上げに加えることで、唐辛子の辛味と風味が最大限に活きる!

一味を使えば、 料理にピリッとした刺激が加わる…
「いつものゴハンがさらに美味しく刺激的に進化する」ということ!
使い分けまとめ
- 辛さ重視は一味唐辛子
料理に純粋な辛味を加えたい時!ダイレクトに辛味を強調したい場合に! - 風味重視は七味唐辛子
料理に複雑な風味と奥行きを与えたい時!和食全般はモチロン、いろいろな国の料理とも柔軟に合わせて試してみましょう! - あわせ技
七味唐辛子で風味をプラス&さらに辛さを求める場合は一味を!
いつもの豚汁やお味噌汁であわせ技をお試しください。感動しますよ。
【初心者も安心】七味&一味 6つ紹介!
~いつもの食卓に、変化を。七味・一味で、無限の味変体験~
ヨシ!使い方はバッチリ!
…でも種類がいっぱい…!!どれを選んだらいいのかな?
ご安心ください!初心者の方でも美味しく楽しめる「厳選!七味&一味たち」をご紹介します!

お近くのスーパーなどでも比較的手に入りやすい人気6点をチョイス!
七味3選【料理の仕上げに、魔法の一振り】
☆八幡屋礒五郎 七味唐辛子 14g

かわいくてポップな缶はもはやアート…!
(私が七味コレクションはじめたきっかけです。)
☆SB食品 七味唐からし 15g

高品質で安心・安全。(私の相棒です。)
☆やげん堀 七味唐辛子本舗 七味唐がらし 瓶入 18g

歴史と伝統を感じる逸品…!(七味の概念ひっくり返るほど)
一味3選【食卓に、刺激的なアクセントを】
☆一休堂 京一味 瓶 15g

トウガラシのウマ味が凝縮!(ラベルの一休さん、味があって好きです。)
☆S&B 日賀志屋 国産一味唐からし ひょうたん入り 14g

厳選された国産トウガラシの品の良い辛さ!
★舞妓はんひぃ〜ひぃ〜 激辛一味 狂辛 缶 10g
¥756 (2025/03/04 16:36:32時点)

『辛さの限界に挑む』激辛好きさんにおすすめ!
(お土産でもらいました。辛いけど…うまい!!)
「ひぃ~ひぃ~」はダテじゃない…。

▼激辛七味もありますよ。わたしのイチオシは『京のラー油』です!
京都の観光地で人気のお土産商品をネットでも!【おちゃのこさいさい】
今回ご紹介したのは数ある中のほんの一部です。
ぜひ、いろいろ試してみて「七味と一味の世界」を満喫してください!
七味・一味の世界は奥深くて一度はまるとやめられない…!
お気に入りの一品と巡り会えることを願っております。(感想など教えて下さいね!)
▼「七味唐辛子」の魅力をもっと知りたい方はコチラの記事を▼
-
【七味唐辛子】食卓を彩る七色の魔法!その奥深い魅力を解説!
「七味唐辛子」とは…? なんて思ってるだけじゃ、もったいない! 七味唐辛子は、「奥深い歴史」と「日本の食文化の魅力」がギュッと詰まった 「魔法のミックススパイス」なんです! ほんの少し加えるだ ...
七味と一味【おもしろ小話7選】

●海外でも人気沸騰中な七味唐からし。そういえば、英語では何ていうの?

「七味(しちみ)」と「一味(いちみ)」は発音がヒジョーに似てるため、海外の人たちにもわかりやすく「NANAMI(ななみ)」と呼んでいるんですね。
●「七味」の由来
七味の「七」。江戸時代でも「七」という数字は縁起がよい!という意味合いから付けられました。(諸説あり)
●七味のはじまり
江戸時代、七味は「漢方」、「薬味」として売られていました。 唐辛子の効果である食欲増進や発汗作用、その他材料の漢方効能で健康のために使われたのが最初です。おくすり。
●は、八味唐辛子…!?
七味唐辛子は「八幡屋(はっぽうや)」という店で売られはじめましたが、実は最初は「八味唐辛子」だったそう。後に一つの材料が入手困難になったため、「七味唐辛子」に変わったという逸話も。
●自分だけのオリジナル七味ブレンド!
七味専門店では、お好みに合わせてブレンドしてくれる「あなただけの七味」を作ってくれる店もあります。粋ですね。
浅草の【やげん堀】さんが有名!▶やげん堀 七味家本舗 オフィシャルサイト
●文化にも登場
江戸時代の落語に「御神酒徳利」という噺がありますが、このお話では七味をかけすぎて大変なことになる場面があり、江戸庶民の生活の一部として七味が描かれています。
●七味がはじめた「物語」
一味唐辛子は辛さを求める場合の「正当法」ですが、七味は「辛さに物語をつける」調味料と言われることもあります。ステキ!
おわりに

七味コレクションの一部です!(なんかゴチャゴチャしててすいません…。目がチカチカしますね。)
七味と一味の違いは…
唐辛子オンリーか他にもミックスされているか、でしたね!バッチリです!
最近では日本のお土産として海外でも徐々に人気が高まりつつある『七味唐辛子』。
「日本の誇る香辛料」の七味のこと、もっと多くの方に好きになってもらえると嬉しいです。
こんなトコまで読んでくださったステキなあなたに特別に隠しレシピをお伝えします。
それは(辛さ控えめの)七味+バニラアイスです!
サッと振りかけると…あら不思議。
キュッと締まって、甘みが際立ちコクが深まって『大人デザート』に早変わり。
お酒飲まれる方にオススメなのは
一味をビターチョコに一振り。するとウィスキーのお供にピッタリ。
(私も試すまでは疑っていましたが…クセになります。もはやないと物足りないです。)
歴史や文化、使い方からレシピ、コレクションなんかもじっくりご紹介していきたいと思ってます。
次回もお楽しみに。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
参考文献
●三都物語 七味小冊子
●誠文堂新光社 スチュアート・ファリモンド (著), 辻静雄料理教育研究所 (監修),
「スパイスの科学大図鑑: 香りの効果的な引き出し方や相性を徹底解明」,2021年3月
●株式会社日本文芸社 武政三男 総監修「大人時間を味わう たのしいスパイス絵本」,株式会社日本文芸社,2022年5月
●成美堂出版「ハーブ・スパイスの辞典」,やまねこ舎,2013年
●株式会社主婦の友社「スパイス&ハーブの使いこなし辞典」,主婦の友社,2009年8月
●株式会社エンディング「はじめてのスパイス便利帖」株式会社ファミマ・ドット・コム,2014年12月