もくじ
七味唐辛子の歴史

(夜の両国橋。隅田川ステキ)
- 七味唐辛子(七色唐辛子)発祥の地である日本橋薬研堀町は医者や薬問屋が多く、別名「医者町」と呼ばれていました。
- 今から300年ほど前の1625年(寛永2年)
初代からしや徳右衛門が、江戸両国薬研堀において漢方薬の調合技術をヒントに、吟味した七種類の素材を組み合わせ創り出したのが七味唐辛子の最初。 - 当時は薬効が期待され寺社の門前で販売されることが多く、江戸の食文化の伝播とともに日本全国へと広まっていきました。
七味こばなし
【七味唐辛子は江戸のハイカラ薬味!】
七味唐辛子が誕生した江戸時代は、庶民の間で外食文化が花開いた時代でもありました。
それまでの食事は、自宅で質素なものを食べるのが一般的でしたが、外食の普及により、さまざまな料理を手軽に楽しめるようになったのです!
その独特の香味と程よい辛味が江戸っ子の嗜好に合い、『薬研堀の七味唐辛子』として江戸名物の一つとなって、土地の名前がそのまま唐辛子の代名詞に。
そんな江戸の食文化を象徴するハイカラな薬味として、瞬く間に大人気に。
薬研堀ってこんなトコ!
☆薬研堀は、江戸時代に隅田川から引き込まれた堀の名前。江戸時代には大変賑わった場所!
☆その名の由来は、漢方薬を砕く道具である「薬研」に堀の形が似ていたことからきています。

武蔵国と下総国の両国を結ぶことから「両国橋」と呼ばれるように!
薬研堀は時代とともに埋め立てが進み、現在ではその痕跡はほとんど残っておりません…。
『薬研堀不動院』が、かつて薬研堀があったことを今に伝える数少ない場所です。
藤沢周平の小説など、多くの文学作品にも登場していますよ。
観光地としてもオススメです!

料理がワンランクアップ! 七味唐辛子の活用法
ソバやうどん、焼鳥だけじゃない!おすすめ活用法!
卵料理にグッド!
いつもの卵かけご飯、目玉焼き、卵焼きなども七味唐辛子をひと振りすれば、ピリッとした辛さと豊かな風味が加わり、食欲をそそります!特におすすめは、卵かけご飯。いつもの卵かけご飯が、七味唐辛子を加えることで、一気に大人な味わいに変化します。うまい!
チャーハン、や野菜炒め、唐揚げなど。料理全体の味が引き締まり、油っこさも和らぎ風味が格段に増します。特に唐揚げは、揚げる前に七味唐辛子をまぶしておくと、スパイシーで食欲をそそる一品に仕上がりますよ。
ピリッとした辛さと豊かな風味が加わり、食欲アップ!
醤油ベースのパスタはバッチリ!彩りが鮮やかに。いいアクセントになりますよ。
魚の臭みが消え、風味が豊かに!
特にサンマやサバなどの青魚に七味唐辛子は相性抜群です。ムニエルもおすすめ。
風味が豊かになり、ピリッとした刺激が心地よい。納豆に付属のタレと七味唐辛子を混ぜ合わせるだけでもおいしいですが、ネギや卵黄などを加えるとさらに風味が増します。(生臭さも抑えられて◎)
マヨネーズに七味唐辛子を混ぜれば、ピリ辛で風味豊かな即席ディップソースになります。野菜スティックやフライドポテトなどに。
プレーンヨーグルトに(少量)加えると、意外なほどマッチします。はちみつやフルーツなどを加えても美味しく召し上がれます。けっこうハマります。
チョコレートやバニラアイスに!ピリッとした刺激と風味が加わり、大人の味わいに。チョコはビターで。ウィスキーにも合います。

新たな味覚にチャレンジしてみましょ!
「食べる漢方」カラダに優しく
「ただの調味料じゃない…!」と驚き&嬉しいのが「七味に使われているスパイスたち」の健康効果なんです。
✅ カプサイシン(唐辛子) → 代謝UP&ダイエット効果
✅ 山椒 → 消化促進&リラックス効果
✅ ごま・麻の実 → 美肌・アンチエイジング効果
七味唐辛子の原材料は、漢方薬としても使われるものが多数!

期待できる健康効果!
◎唐辛子のカプサイシンは、血行促進や発汗作用があり、体を温める効果。
◎山椒のサンショオールは、胃腸の働きを整え、消化を促進する効果。
◎ごまのセサミンは、抗酸化成分が肌の老化を防ぎ、ハリと潤いを保つ効果。
◎麻の実は必須アミノ酸やミネラルが豊富で、肌の細胞を活性化し、若々しさを保つ効果。
食べるだけで体に嬉しい効果が期待できるのも、七味唐辛子の魅力ですね!
七味唐辛子を使う時の3つの注意点!
七味唐辛子は、料理を美味しくしてくれて健康にもヨシ!な万能な調味料ですが、使用する際には3つほど気を付けていただきたい注意点があります。
- 適量なら健康効果も期待できるが、入れすぎると胃腸を刺激してしまう。
- 辛いものが苦手な方、胃腸が弱い方は少量から試すようご注意!
- 唐辛子以外にも様々な原料が使われているので、アレルギーのある方は原材料表示をしっかりと確認!
- 過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性あり。なにごとも適量がカンジンです!
- 持病のある方は医師に相談を。
美味しくても摂りすぎ注意!
まずは少量から試していくようにお願いします。(アレルギーなどもありますので、やはり合わない…と思ったらご使用は控えるようにお願いします。)
いつまでも美味しく!保存法
七味唐辛子はとってもデリケートな食品です。
(スパイス全般に言えることですが、暑さや湿気、大きな温度変化を嫌います。)

「3つの保存の鉄則!」
①敵は「高温・多湿・光」!
- 風味を保つため、涼しくて暗い場所へ。
- 夏は特に冷蔵庫へ!(冷凍するのもOK!)
②密閉&乾燥で風味キープ!
- 容器はしっかり密閉できるものを。乾燥剤があればさらに安心!
③少量購入&早めに使い切り!
- 風味が命!少しずつ容器に移し替えて、新鮮なうちに楽しみましょう!
こちらの鉄則をしっかりと守って最高の七味ライフを楽しんでくださいね!
おわりに

「たぬきの七味アート」と「マイ七味BOX」、宝物の「やげん堀さんの印籠型七味入れ」です。
いかがでしたでしょうか?
大好きな「七味唐辛子の魅力」が少しでも伝わったら嬉しいです!
今後も七味の魅力的な世界を発信できるように頑張っていきます。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
(追記)さいきんほぼ毎日、寝る前これみてます。(ズッとみてられます。ねられない。)
参考文献
●三都物語 七味小冊子
●誠文堂新光社 スチュアート・ファリモンド (著), 辻静雄料理教育研究所 (監修),
「スパイスの科学大図鑑: 香りの効果的な引き出し方や相性を徹底解明」,2021年3月
●株式会社日本文芸社 武政三男 総監修「大人時間を味わう たのしいスパイス絵本」,株式会社日本文芸社,2022年5月
●成美堂出版「ハーブ・スパイスの辞典」,やまねこ舎,2013年
●株式会社主婦の友社「スパイス&ハーブの使いこなし辞典」,主婦の友社,2009年8月
●株式会社エンディング「はじめてのスパイス便利帖」株式会社ファミマ・ドット・コム,2014年12月