もくじ
ジン:「支配する街」と活気
ジンといえば、あの名言「深い悲しみを忘れさせてくれる酒…」が記憶に残りますね。
(トミーが自身ででジュニパーベリーやジャガイモなどの材料集め、ジン作りに励んでましたが、
評価は「甘すぎる。」
なんか不発でしたね…。一生懸命作ったんだから感想くらい言ってあげて…!
あの時代、イギリスの労働者たちに親しまれていたお酒です。ギャリソンでも提供されてましたね。

『ギャリソン』でメイがトミーに飲み物聞かれてジンを頼むシーンもいいですよね。
グラスいっぱい、なみなみと注がれたストレートのジン。
「さすがに割りたいわ。」とメイが頼むと
トミーがジンに更に「コーディアル」プラス。さらになみなみに。(すてき!)
(※コーディアル…ハーブや果物をシロップに漬け込んで作る強壮剤みたいな飲み物。シロップの代わりにアルコールで作ってリキュール状にする場合も。酒を酒で割ったみたいな。)
★プリマス・ジン
当時、イギリスで特に人気があったのがプリマス・ジン(Plymouth Gin)
プリマス・ジンは、他のロンドン・ドライ・ジンよりもマイルドでバランスの取れた風味が特徴。

プリマスジン小話
プリマス・ジンは、イギリス海軍とも深い関わりがあるんです。
イギリス海軍は、伝統的にプリマス・ジンを船上で常備。
「ネイビーストレングス」と呼ばれる57%の高アルコール度数のジンが特に有名。
これは、ジンが火薬と混ざっても引火しないため、船上でも安全に保管できるから、海軍での標準仕様となっていたんです!
スタウトビール:バーミンガムの苦みとファミリーの闇
スタウトビールは、まるでシェルビー家の暗く重い過去や、彼らが生き抜いてきた厳しい現実を反映する飲み物のよう。
ギネスのようなスタウトビールは、その濃厚な味わいと高いアルコール度数で有名。

大事な作戦の開始直前、トミーが仲間たちに忠告します。
『今、酒を飲むなら、スタウトビールで我慢しとけ!』
ビ、、ビールはいいのか!
★ギネスビール
スタウトビールの代表的な銘柄としては、ギネス(Guinness)が挙げられます。
ギネスは、ダークチョコレートやコーヒーのような風味が特徴。
いいパブ行くと、たまにラテアート的に泡にクローバーかいてくれることも。かわいい。

ギネスビール小話
- 1759年にアーサー・ギネスによってダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で初めて醸造。
- 独特の味わいは、焙煎した大麦によるもので、その苦味とリッチなテクスチャーは多くの人々を魅了。
- ギネスは「ビールの中のワイン」とも称され、その味わいの複雑さから食事と合わせるペアリングにも注目されてます。
- ギネスの泡は、正しい注ぎ方を守ることで最高の質感が生まれるとされ、バーテンダーの腕の見せ所!
- 泡でラテアートのようにギネスのトレードマークの『四葉のクローバー』作ってくれるお店もあるんですよ。ハッピー。
シャンパン:成功と栄華を讃える
シャンパンは、成功を収めた際や祝い事に登場することが多く、栄光と贅沢を象徴。
シェルビー家が新たなビジネスを成功させたときや、敵を打ち負かした後の祝賀会でシャンパンが開けられるシーンが印象的。
(モーズリーは毎回「シャンパン」。)

ファーストシーズンのラスト、ギャリソンでトミーがファミリーで『グレースのシャンパン』を開け、大勝を祝うシーン。(ハッピーでしたね…。)
★モエ・エ・シャンドン
シャンパンの中でも特に人気があったのがモエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)
モエ・エ・シャンドンは、フルーティーで爽やかな味わいが特徴。ポリーな感じですね。
(日本では、モエ=ゴージャス! ザ・シャンパン! として根強い人気を誇り、その「イメージ」が現代でも根強い気がします。あとクィーンの曲「キラークィーン」の歌詞にも登場しますね!)
モエ・エ・シャンドン小話
モエ・エ・シャンドンは、フランスのシャンパーニュ地方で1743年に設立され、ナポレオン・ボナパルトを始めとする多くの歴史的な人物に愛されてきました。
ナポレオンは、戦勝後に必ずモエ・エ・シャンドンを開け、祝杯を挙げるのが習慣であったと言われています。歴史!

アブサン:危険と芸術の狭間
アブサンは、トミーが特にストレスを感じる場面や、危険な状況に直面した際に飲むシーンが印象的。
非常に強いスピリッツです。【緑の妖精、緑の悪魔、魔性の酒】など異名も。

★ペルノ
当時のアブサンの中でも特に有名だったのがペルノ(Pernod)
ペルノは強烈なアニスの香りとハーブの風味を持ち、危険な魅力を持つスピリッツ。
アブサン小話
アブサンは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、フランスの芸術家や作家たちに愛されました。
特に、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホやポール・ヴェルレーヌなどがアブサンを好んで飲んでいたことが知られています。
アブサンの飲み方には独自の儀式があり、水で薄める際に専用のスプーンと角砂糖を使用します。

「アブサン」についてはこちらもどうぞ☞
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ラム:「暗黒の取引と謎めいた過去」
ラムといったら「アルフィー・ソロモンズ」。
(不死身のパン屋さんとして有名ですね。メガネ愛好家。)
「茶色」選ぶと労働者。「白色」選ぶとアッパークラス。そんなトンチの効いたラムを手掛ける神パン屋さん。

ソロモンズの隠れ家(パン屋)にトミーが「爆弾仕掛けたったで。」と靴紐結びつつハッタリ。
ギリギリの駆け引きがほっこりポイントです。(利益交渉で100%は攻めてますね。)
トミーの『ラムはよく燃えるから。はよせんと、火がついて全滅しちゃうよ!クリスマス!』
そんなお酒です。
(あと海賊が愛してます。そうです。カリブの。)
★トミーはこんな危ないところでもバンバンとタバコを吸います。痺れる…!
★ディプロマティコ・リザーブア・エクスクルーシバ
おすすめラムは「ディプロマティコ・リザーブア・エクスクルーシバ(Diplomático Reserva Exclusiva)」!
このラムは、ベネズエラ産で、12年以上の熟成を経たリッチで複雑な味わいが特徴。
プレミアムラムとして世界中で高い評価を受けています。
バニラ、トフィー、キャラメルの濃厚な香りとスムーズな口当たりが、シェルビー家の深みと重なる一杯。
ディプロマティコ小話
糖蜜から作られ、オーク樽で最低12年間熟成されることで、豊かなバニラ、カラメル、トフィー、そしてフルーツの風味が際立ち、その複雑で深みのある味わいは、ラム初心者から上級者まで幅広く愛されています。まるで、ベネズエラの太陽!
この「ディプロマティコ」は、アントニオ・ペレス・ド・マイラにちなんで名付けられました。
彼は、19世紀に実在したスペインの外交官であり、ラテンアメリカで大きな影響力を持っていました。
この名前には、品位と高貴さ、そして深い歴史的背景が込められています。
単体で飲むだけでなく、デザートのペアリングやカクテルのベースとしても最適です。
特に、チョコレートやナッツと相性が抜群!
ピーキーブラインダーズ見ながらゆっくり贅沢なひとときをどうぞ!
おわりに
ピーキー・
いかがでしたでしょうか?
ピーキーブラインダーズ観ながら飲むお酒(特にウィスキー!)ほんと美味しいです。至福。
(観たあとは肩切りながら歩こうと意識しちゃいますね。ヨロヨロ…。)
どのお酒も、ピーキーブラインダーズのダークで複雑で深い物語にぴったりと寄り添う存在。
時代背景を持つお酒は、知れば知るほど美味しくなって、さらにドラマに深みを与えてくれます!
今夜は、手元にトミーやジョン(!)が飲んだかもしれない極上の一杯を用意し、お部屋でしっとり飲み明かしましょう…!
「レッドライトハンド」やアークティック・モンキーズ、ホワイト・ストライプス流しながら、ピーキーな世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(最後にコチラも紹介しておきます…!なぜこれを作ったんだ。ほしい。オフィシャル!)
(ドラマ ピーキーブラインダーズはシーズン1~6までNetflixで観れますので未見の方はぜひ!)
そして2025年?映画で完結する壮大な物語。
(アーサー逮捕された、みたいなニュース見たんで完成するか少し心配ですが。)
ぜひ、じっくりと浸ってみて下さいね。
モデルとなった組織について気になった方はコチラもどうぞ(参照:ピーキーブラインダーズ Wikipedia )
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!
参考文献
●株式会社柴田書店出版 福西英三 花崎一夫 山崎正信 著「新版 バーテンダーズマニュアル」,株式会社柴田書店,2008年5月