主な使用法とポイント
料理
甘くて濃厚な風味が肉料理との相性バツグン!肉の臭みを抑えてくれます。
- パウダーをハンバーグやミートボールの生地に練りこんでスパイシーな風味をプラス!
また、ホールクローブをかたまりの豚肉やハムに挿して豪快にロースト! - イギリスでは蜂蜜やフルーツを使った甘いソースをかけて食べるのが一般的です。
- 西洋料理ではポトフやビーフシチュー、シチュー、スープやマリネにも
- 中華では豚の角煮を作る時に活躍
- インド料理では肉を使ったカレーの風味付けに使われることが多い
(またカレー作りに欠かせないミックススパイス「ガラムマサラ」の主原料でもあります)
ホールクローブの使い方のコツ
☆シチューやカレーなどにホールのクローブを使う際には野菜に十字に切れ込みを入れて、そこに釘みたいに刺すと調理したあと取り除きやすくなります!
☆香りも強いが味も強い!舌が痺れる刺激味!
使う量には注意が必要。ポトフや煮込みなどで使う際は3~4本で十分ですよ!
デザートや焼き菓子
クッキーやケーキに使用されることが多く、クリスマスシーズンに大活躍!
●クローブパウダーを生地に練りこんで焼き上げます。
●特に、バニラを使った焼き菓子の生地に混ぜて焼き上げる事で、お互いの香りを引き立てあってより一層美味しくなるのでオススメです。
●また、フルーツとも相性がいいのでコンポートや焼きリンゴにも。
見た目もなかなか可愛いです。
ドリンク
インドのマサラチャイ、西洋のホットワインなどドリンクにも。
●簡単に取り入れたいときは☞お好みの紅茶にパウダーを一振りするだけ!
いつもの紅茶に風味がプラスされてワンランクグレードアップします。
コーヒーに入れても◎です!

おいしい!レシピ集

クローブ香るコクうまビーフシチュー
クローブの香りがアクセント!寒い季節に嬉しい逸品です!!
【材料】( 4人分)
- 牛肉(シチュー用):500g
- 玉ねぎ:1個(みじん切り)
- にんじん:2本(乱切り)
- ジャガイモ:2個(乱切り)
- トマトペースト:大さじ2
- ビーフブロス:500ml
- 赤ワイン:200ml
- クローブ:4~5粒
- ローリエ:1枚
- 塩コショウ:適量
- オリーブオイル:大さじ2
【作り方】
1. 大きな鍋にオリーブオイルを熱し、牛肉を焼き色がつくまで炒めます。
焼色付きましたら肉を取り出して、別皿に移します。
2. 同じ鍋に玉ねぎを入れて色が透明になるまで炒めます。
玉ねぎ炒まったら、にんじんとジャガイモを加えてさらに炒めます。
3. トマトペーストを加えて全体になじませます。
次にビーフブロスと赤ワインを注ぎます。
4. クローブとローリエを加え、牛肉を鍋に戻して塩とコショウで味を調えます。
5. 鍋に蓋をして弱火で1.5~2時間煮込みます。
肉が柔らかくなり、野菜が煮えるまでじーっくりコトコト煮込みます。
6. クローブとローリエを取り除き完成!

クローブは結構クセがあるので…!最初は少量で試してしてみてください!
(昔、入れすぎて大変なことに…。)
クローブとオレンジのホットワイン
クリスマスにピッタリなホットワイン!クローブとオレンジの香り身も心も温まります。
【材料】( 4人分)
- 赤ワイン:750ml
- オレンジ:1個(薄切り)
- レモン:1個(薄切り)
- シナモンスティック:2本
- クローブ:10粒
- 砂糖:大さじ2
- 水: 100ml
【作り方】
1. 大きめの鍋に赤ワイン、水、オレンジ、レモン、シナモンスティック、クローブを入れます。
2. 砂糖を加え、中火で加熱します。煮立たせないように注意しながら、約10分間加熱します。
3.クローブを取り除き、マグカップに注いで温かいうちにお召し上がりください。

ノンアルコールで作る場合はワインの代わりにオレンジジュースやグレープジュースでも◎
クローブ風味のキャロットケーキ
クローブの風味がキャロットケーキにベストマッチ!ティータイムのお供に最適。
【材料】( 8人分)
- 小麦粉: 200g
- ベーキングパウダー:小さじ1
- ベーキングソーダ:小さじ1/2
- 塩:小さじ1/2
- シナモン:小さじ1
- クローブ(粉末):小さじ1/4
- 卵: 2つ
- 砂糖:150g
- 植物油: 120ml
- バニラエッセンス:小さじ1
- にんじん(すりおろし):200g
- くるみ(刻んだもの):100g
【作り方】
1. オーブンを180℃に予熱します。ケーキ型に油を塗り、粉をふります。
2. ボウルに小麦粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ、塩、シナモン、クローブを混ぜ合わせます。
3. 別のボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器で混ぜます。さらに植物油とバニラエッセンスを加えてよく混ぜます。
4. 3にすりおろしたにんじんとくるみを加え、混ぜ合わせます。
5. 4に乾いた材料を少しずつ加え、さっくりと混ぜ合わせます。
6. 生地をケーキ型に流し込み、オーブンで約40~45分焼きます。竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がりです。
7. ケーキを冷ましてから型から取り出し、お好みでアイシングをかけてお召し上がりください。

★クローブホールは1回の使用量が多くないので、こちら1つあればだいぶ長持ちします。
★パウダーならこれ!気密性が高い瓶タイプなので香りや品質が保ちやすい!
※プラスチック容器はクローブの精油成分でプラが溶けちゃう恐れあり!「ガラス瓶」で保存を!
歴史
クローブの歴史はとても古く、紀元前200年には中国で使用されていたという記録があります。
インド、ヨーロッパでは口腔清涼剤や胃腸薬、殺菌や消毒などに用いられ、重要な役割を果たしていました。
冒険家マゼランが探し求めた幻のスパイス
- 中世ヨーロッパにおいてクローブは非常に高価で貴重なスパイスとされ「富と権力の象徴」でもありました。
- 中国商人によって「絹」などとともにスリランカ経由でもたらされ、6〜7世紀ごろに貴族の間で珍重されました。
- その後も、中国商人はクローブの原産地を隠したまま貿易を続けて利益を独占していたのですが、「大航海時代」に入り、原産地が明らかになるとスペイン王がポルトガルの冒険家である「マゼラン」と「セラーノ」へ未知の航路である西回り航路による香辛料諸島の探索を命じました。
- 1520年マゼランとセラーノの一行は「マゼラン海峡」を発見し太平洋横断に成功。
- この航海によってマゼランはフィリピンのセブ島にて戦死という非業の死を遂げてしまうのですが、残された船団は苦難の末に香辛料諸島(モルッカ諸島)に到着し、出航からなんと3年もかけてスペインへクローブを持ち帰ることに成功しました。
- このとき持ち帰った「クローブ」「シナモン」「ナツメグ(メース)」などのスパイスはスペインに莫大な利益をもたらす事に。
- 一方、スペインの交易で賑わっていたアラビア、ベネチア、ペルシャの街は衰退の一途をたどる事に。
祭事や政事にも
中国の漢の時代では、宮廷の官史が天子に政事(まつりごと)を奉上するときは1本のクローブを口に含み、吐息を清める香薬として用いていたそう。神聖なものとして使われていたんですね。
他にもクローブやシナモンを寺院や教会で火にくべ、空気を清める香煙としても用いられていました。
日本では
8世紀にペッパーやシナモンとともに正倉院の御物に奉納されています。
日本にもだいぶ前から伝わっていたスパイスなんですねぇ。
フルーツポマンダー
昔西洋で魔除けにも使われていたポマンダー。
クローブをレモンやオレンジに挿し、シナモンパウダーを振りかけて乾燥させた匂い玉のこと。
現代では「幸運を運んできてくれる」お守りとして親しまれています。
室内やトイレなど自然の芳香剤にもピッタリ!
殺菌効果・抗菌効果により害虫よけにも効果バツグン!
作り方も簡単ですごくいい香りです。
ただしオイゲノールには刺激性があり、イヌ・ネコなどにとっては有害ですのでペットを飼われている方は注意が必要です!
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【※この記事は約3分ほどで読めます🍊】 自由研究にピッタリ! 親子で一緒に作れる!スパイスクラフト「フルーツポマンダー」のご紹介! みなさん「フルーツポマンダー」って聞い ...
親子で一緒に楽しめる!スパイスクラフト【フルーツポマンダー】
おわりに
圧倒的な香りと「健康&美容」効果をもつ「クローブ」いかがでしたでしょうか?
料理やドリンクはもちろん、アロマセラピーから歯医者さんまで(!)実に幅広く活躍しているスパイスです。
自然の力で「健康・美容に対する多くの効果」が得られるのは素敵ですよね。
☆健康⇒「抗酸化作用、抗菌作用、消化促進、抗炎症作用、血糖値調整、免疫力強化、心臓の健康維持」
☆美容⇒「エイジングケア、肌トラブル改善、肌の炎症の軽減、美白効果、髪の健康促進、引き締め効果、結構促進」
さすが世界4大スパイス…!
日々の生活にうまく取り入れ「健康と美容」の充実したスパイスライフをお楽しみください!
(虫さんが苦手な方にもオススメ!ベランダにあるミニハーブ園でも効果絶賛発揮中です。併せてポマンダーもクラフト乾燥中です。いい香り!)
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
参考文献
●成美堂出版「ハーブ・スパイスの辞典」,やまねこ舎,2013年
●株式会社主婦の友社「スパイス&ハーブの使いこなし辞典」,主婦の友社,2009年8月
●株式会社エンディング「はじめてのスパイス便利帖」株式会社ファミマ・ドット・コム,2014年12月